ADHDに瞑想のススメ

アイキャッチADHD(注意欠陥・多動性障害)
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ADHDは物忘れが多く、目標を達成することも困難です。
何をやっても上手くいかない。
そんな劣等感を抱えている人も少なくないでしょう。

ですが、ADHDに対する治療はいくつか存在します。
今回、紹介するのは「瞑想」です。
瞑想はADHDの症状を緩和させます。

では、瞑想がADHDに効くというデータを3つ見ていきましょう。

その1.ADHD症状を改善する

カナダにあるトロント大学の実験では、ADHDに対して瞑想が使用されました。

実験の対象者
  • サンプル数:18人
  • 男性   :72%
  • 女性   :28%
  • 平均年齢 :15.5歳

なお、実験の対象者はADHDの人です。
不注意優勢型が6%で、多動・衝動性優勢型が28%、混合型が67%でした。

実験の対象者は、マインドフルネスを習います。

実験のプログラム
  • 実施期間:8週間
  • 実施回数:週1回
  • 1セッション:90分

そして、ADHD症状の変化を観察したそうです。

実験の結果、ADHD症状が改善されました。

  • 不注意症状が12%緩和した

ケアレスミスは減ったことでしょう。

衝動性を減らす

とくに、多動・衝動性優勢型ADHDは衝動的で頭で考えるよりも先に体が動きます。
そういった衝動性にも瞑想は効果があるようです。

スペインで実施された実験では、衝動的な人に瞑想が使われました。

実験の対象者
  • サンプル数:27人
  • 男性   :59%
  • 女性   :41%
  • 平均年齢 :15.85歳

なお、実験の対象者は高校生とのこと。
教室で何度も問題行動を起こしてカウンセリングを受けていた衝動的な人です。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 瞑想をする
  • 瞑想をしない

瞑想をするグループのみ、マインドフルネスを習います。

実験のプログラム
  • 実施期間:10週
  • 実施回数:週1回

そして、アンケートにより衝動性や攻撃性を測定したそうです。

実験の結果、瞑想をしたグループのみ効果が見られました。

  • 怒りが16%減った
  • 敵意が19%減った
  • 衝動性が14%減った
  • 物理的な攻撃が14%減った
  • 口頭による攻撃が24%減った

衝動的に起こしてしまうトラブルは減ることでしょう。

その2.マインドワンダリングを減らす

マインドワンダリングとは、今ここに集中せずアレコレ考えてしまう心の状態のこと。
例えば、仕事中に趣味のことを考えたり、過去のことを思い出して笑ってしまう。
そういった心のさまよいをマインドワンダリングと言います。

ADHDはマインドワンダリングを発生させやすいです。
集中力がなく、思考があっちこっちに飛びます。

マインドワンダリングを減らさなければ、目の前の課題に集中できません。
瞑想はマインドワンダリングを減らしてくれます。

アメリカにあるカリフォルニア大学サンタバーバラ校の実験では、瞑想が及ぼすマインドワンダリングへの影響について調べられました。

実験の対象者
  • サンプル数:48人
  • 男性   :29%
  • 女性   :71%
  • 平均年齢 :20.83歳

なお、実験の対象者は大学生とのこと。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 瞑想
  • 栄養

瞑想グループは、マインドフルネスを習います。
栄養グループは、栄養に関する座学を学びました。

実験のプログラム
  • 実施期間:2週間
  • 実施回数:週4回
  • 1セッション:45分

また、瞑想グループはセッション外で毎日10分の瞑想をするよう指示されています。

そして、実験の開始前と終了後におけるマインドワンダリングの変化を計測されました。
いくつかタスクが出題され、そのタスクの実行中に無関係な考えがどの程度、浮かんできたかをアンケートなどで調べたそうです。

実験の結果、瞑想グループのみ効果が見られました。

  • タスク中のマインドワンダリングが24〜45%ほど減った

タスクの性質によって効果は異なりますが、瞑想により余計な考えを排除できています。

注意力が高まる

マインドワンダリングが減ると、注意力は高まるでしょう。

オランダで実施された実験では、瞑想が及ぼす注意力への影響が調べられました。

実験の対象者
  • サンプル数:50人
  • 年齢   :18〜65歳

なお、実験の対象者はADHDとのこと。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 瞑想をする
  • 瞑想をしない

瞑想をするグループのみ、マインドフルネス認知療法を受けます。

実験のプログラム
  • 実施期間:12週間
  • 実施回数:週1回
  • 1セッション:3時間

そして、実験の開始前と終了後における注意力の変化を測定しました。
CPTと呼ばれる注意力を測る検査が実施されたそうです。

実験の結果、瞑想をしたグループのみ効果が見られました。

タスク中にエラーを起こした割合
  • 瞑想をする前:25%
  • 瞑想をした後:20%

注意力が高まり、エラーが減っています。

その3.前頭前野を活性化させる

前頭前野とは、計画を立てたり、優先順位をつけたりするときに活用される脳領域のこと。
目の前のタスクに集中するときも前頭前野が活躍します。

しかし、ADHDは前頭前野の活動が弱いため、注意散漫です。
物事をやりきることもできません。

前頭前野の活動を高めることはADHDにとって重要です。

アメリカにあるペンシルベニア大学の実験では、瞑想が及ぼす脳への影響を調べられました。

実験の対象者
  • サンプル数:20人
  • 男性   :30%
  • 女性   :70%
  • 平均年齢 :64〜65歳

なお、実験の対象者は軽度以上の認知症や記憶障害の人です。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 瞑想をする
  • 音楽を聞く

瞑想をするグループは、瞑想のCDを使って毎日、瞑想に取り組みます。
音楽を聞くグループは、クラシック音楽を毎日、聞いたそうです。

実験のプログラム
  • 実施期間:8週間
  • 実施回数:週7回
  • 1セッション:12分

そして、実験の開始前と終了後における脳活動の変化をSPECTと呼ばれる検査で調べます。
検査は瞑想または音楽のCDを聞いた状態で行われたそうです。

実験の結果、瞑想をしたグループに多くの変化が見られました。
とくに、前頭前野領域の脳血流が増加しています。

脳血流の変化
  • 右側の下前頭回   :1.06倍になった
  • 右側の上前頭回   :1.04倍になった
  • 左側の上前頭回   :1.04倍になった
  • 右側の背外側前頭前野:1.09倍になった

などなど。

前頭前野の脳血流が高まれば、ADHD症状は抑えられることでしょう。

まとめ

不注意や衝動性を緩和させ、目の前のタスクに集中するには瞑想が効果的です。
ADHDは瞑想をするメリットがあると言えるでしょう。
前頭前野も活動的になります。

瞑想の具体的なやり方は、次の書籍がオススメです。

鋼のメンタルを手に入れる ゴリラ式メタ認知トレーニング

マインドフルネスストレス低減法

まずは、10分の瞑想からチャレンジしてみましょう。

参考論文

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