運動は血糖値スパイクを防ぐ

アイキャッチ運動療法(エクササイズセラピー)
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血糖値が上がったり下がったりすると情緒が安定しません。
気分は落ち込み、イライラや不安が強くなるでしょう。

こういった血糖値の乱高下を血糖値スパイクと言います。
食後に極度の疲労感を感じるのが特徴です。

血糖値スパイクに苦しんでいる人も多いと思います。
私も一時期、朝食と昼食を抜くなど不健康な対策をとっていました。
案の定、栄養失調でメンタルは悪化を辿ります。

しかし、健康的に血糖値スパイクは防ぐことができます。
その方法は「運動」です。
運動は血糖値を安定させます。

運動をする

血糖を運ぶGLUT4が増える

血糖が筋肉に貯蔵される

血糖値が安定する

では、運動が血糖値を安定させるというデータを5つ見ていきましょう。

その1.2型糖尿病のリスクを下げる

日常的に運動をしている人は2型糖尿病のリスクが下がります。

アメリカで実施された大規模調査では、運動習慣と2型糖尿病の関係について調べられました。

調査の対象者
  • サンプル数:23,226人
  • 男性   :46%
  • 女性   :54%
  • 年齢   :18歳以上

調査の対象者のうち、7.8%が2型糖尿病です。

調査の結果、次のことがわかりました。

週に3回30分以上の運動をする人
  • 2型糖尿病あり:38.5%
  • 2型糖尿病なし:57.8%

運動をしている人ほど、2型糖尿病になりにくいです。

運動を始めると2型糖尿病のリスクが46%減る

アメリカで実施された実験では、運動を交えた2型糖尿病の予防プログラムが実施されました。

実験の対象者
  • サンプル数:1,079人
  • 男性   :32%
  • 女性   :68%
  • 平均年齢 :50.6歳

なお、実験の対象者は全員肥満体型とのこと。
2型糖尿病にかかるリスクが高いセグメントです。

実験では、2型糖尿病の予防プログラムが実施されました。

2型糖尿病の予防プログラム
  • 週に150分以上の適度な運動をする
  • 食事から摂取する脂肪を25%減らす

などなど。

およそ3年に渡って予防プログラムを実施したそうです。

実験の結果、14%ほどの人が2型糖尿病を発症しました。
ですが、予防プログラムを遵守した人は2型糖尿病の発症を抑えています。

  • 体重が1kg減るごとに2型糖尿病のリスクが16%減った

更に、予防プログラム通りに運動を継続した人は大幅なリスクを低減させました。

  • 運動を継続した人は2型糖尿病のリスクが46%低い

全国民が毎日20分運動を実施すれば、2型糖尿病の発症数を半分できるぐらい効果があります。

軽いウォーキングでも2型糖尿病のリスクを下げられる

激しい運動がニガテという人は、ウォーキングをすると良いでしょう。

ハーバード大学で実施された301,221人を対象にしたメタ分析では、運動と2型糖尿病のリスクの関係が調べられました。

メタ分析の結果、次のことがわかりました。

  • ウォーキングを週に150分すると2型糖尿病のリスクが30%下がる

会社や学校の帰り道に歩く量を増やしましょう。

その2.インスリン感受性を高める

インスリンとは血糖値を下げるホルモンのこと。
運動をすることでインスリンの感受性(効きの良さ)が高まります。
インスリン感受性が悪いと血糖値スパイクを招きやすいです。

チュニジアで実施された実験では、運動がインスリン感受性を高めました。

実験の対象者
  • サンプル数:34人
  • 性別   :女性
  • 平均年齢 :15.9歳

なお、実験の対象者は全員肥満体型とのこと。

実験の対象者は3つのグループにわけられました。

  • 高強度の運動をする
  • 中強度の運動をする
  • 運動をしない

運動をするグループのみ、ウォームアップの後にインターバルトレーニングを行います。
指定されたポイントを繰り返し走るというもの。

ただし、高強度の運動をするグループは100%の力で走らなければなりません。
中強度の運動をするグループは70〜80%程度の力で走りました。

運動のプログラム
  • 実施期間:12週間
  • 実施回数:週3回
  • 1セッション:30分程度

実験の結果、運動をした2つのグループでインスリン感受性が高まりました。

インスリン感受性の変化
  • 高強度の運動をした:29%高まった
  • 中強度の運動をした:18%高まった

運動の強度が強いほど効果的です。

その3.薬より効果が高い

運動が血糖値を安定させる効果は非常に高いです。
その効果は薬をしのぎます。

アメリカで実施された実験では、2型糖尿病の予防プログラムが実施されました。

実験の対象者
  • サンプル数:3,234人
  • 男性   :32%
  • 女性   :68%
  • 平均年齢 :50.6歳

なお、実験の対象者は平均体重が94.2kgの肥満体型とのこと。
また、血糖値が高まりやすく2型糖尿病のリスクが高いセグメントです。

実験の対象者は3つのグループにわけられました。

  • 薬(メトホルミン)
  • ライフスタイル(運動)
  • プラセボ

薬グループはインスリン感受性を高める薬を飲みます。
1日2回850mgを飲んだそうです。

ライフスタイルグループは食事や運動に指示が入りました。

  • 健康的な低脂肪な食事を摂ること
  • 運動を週に150分以上すること

プラセボグループはプラセボ(偽薬)を摂取します。
中身はなんの効果もない物質が入っています。
比較対象として用意されたグループです。

実験のプログラム
  • 実施期間:約2.8年

実験の結果、2型糖尿病の発症率に差が生まれました。

プラセボと比較した2型糖尿病の発症率
  • 薬      :31%低い
  • ライフスタイル:58%低い

薬を飲むより食事や運動に気をつける方が効果てきめんです。

ちなみに、運動の遵守率は2年間で74%でした。
薬の遵守率は72%とのこと。

その4.有酸素運動+筋トレでシナジーを生む

筋トレも血糖値を安定させる効果があります。

筋トレをする

筋肉がつく

血糖を貯蔵できるスペースが増える

血糖値が安定する

運動をするなら、有酸素運動と筋トレを組み合わせましょう。

カナダで実施された実験では、2型糖尿病に有酸素運動と筋トレが実施されました。

実験の対象者
  • サンプル数:251人
  • 男性   :64%
  • 女性   :36%
  • 平均年齢 :53〜54歳

なお、実験の対象者は全員2型糖尿病の患者とのこと。

実験の対象者は4つのグループにわけられました。

  • 有酸素運動
  • 筋トレ
  • 複合(有酸素運動+筋トレ)
  • 運動なし

有酸素運動グループはルームランナーやサイクリングマシンが使用されました。
最大心拍数の60〜75%程度の力で運動します。
なお、運動時間は1時間程度です。

筋トレグループは様々なウェイトマシンを使って筋肉を鍛えます。

複合グループは有酸素運動に加えて筋トレも実施されました。
運動量は最も多いです。

運動のプログラム
  • 実施期間:22週間
  • 実施回数:週3回

実験の結果、運動は血糖値の改善を見せました。
ヘモグロビンA1cと呼ばれる糖化した赤血球が減少しています。

ヘモグロビンA1cの減少率
  • 有酸素運動:5.8%減った
  • 筋トレ  :4.0%減った
  • 複合   :12.1%減った

有酸素運動に加えて筋トレもやりましょう。
より効果的に血糖値を安定させます。

その5.効果は2〜3日持続する

運動は毎日やる必要はありません。
1度、運動をすると血糖値の安定効果が2〜3日持続します。

オランダで実施された実験では、血糖値に関する運動の持続効果について調べられました。

実験の対象者
  • サンプル数:30人
  • 性別   :男性
  • 平均年齢 :60歳

なお、実験の対象者は全員2型糖尿病の患者とのこと。

実験の対象者は3つの条件で血糖値を測定されました。

  • 連日運動する
  • 1日だけ運動する
  • 運動しない

全条件とも実施期間は3日間です。

連日運動する条件

  • 1日目:サイクリングを60分する
  • 2日目:サイクリングを60分する

1日だけ運動する条件

  • 1日目:サイクリングを30分する
  • 2日目:運動しない

運動しない条件

  • 1日目:運動しない
  • 2日目:運動しない

そして、1日目と3日目の血糖値の変化を観測されました。

実験の結果、運動をした両条件は血糖値を大きく下げています。
しかも、効果はほぼ同じでした。

1度、30分程度の運動をすれば2〜3日は血糖値が安定するということです。

まとめ

血糖値スパイクを起こしている人は運動をしましょう。
運動は血糖値を安定化させます。

運動をする

血糖を運ぶGLUT4が増える

血糖が筋肉に貯蔵される

血糖値が安定する

運動は薬よりも効果が高いです。
週に3回30分の運動をすると良いでしょう。

もし、運動されるなら筋トレも組み合わせるとシナジー効果が生まれます。

筋トレをする

筋肉がつく

血糖を貯蔵できるスペースが増える

血糖値が安定する

更には、食前の運動には食欲の抑制効果もアリです。

参考論文
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