睡眠薬より強い!ぐっすり眠れるベッドの使い方

アイキャッチ睡眠
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不眠症のため睡眠薬を毎晩、飲まれている方もいらっしゃると思います。
薬を飲むほどではなくとも入眠困難な方は多いことでしょう。

しかし、その睡眠の問題はベッドの使い方次第で解決する可能性があります。
もしかすると、睡眠薬が不要になるかもしれません。

では、どのようにベッドを使うかと言うと「刺激制御法」を適応させます。
刺激制御法とは認知行動療法の一種で不眠症の治療にも使われています。

と言っても難しいものではありません。
実践は非常に簡単、かつ、効果は絶大です。

では、刺激制御法に則ったベッドの使い方について紹介していきます!

刺激制御法とは?

刺激制御法は睡眠の質を高めるベッドの使い方に関するメソッドのこと。

その名の通り睡眠に邪魔な刺激をコントロールしようぜ!というコンセプトです。
ベッドを寝ることだけに強化します。
スマホやゲームなんかはベッドで禁止です。

ただそれだけで、効果は睡眠薬にも匹敵します。
2002年にアメリカで実施された470人の被験者を対照にしたメタ分析によると、睡眠薬よりもやや効果が高いぐらいだそうです。

ちなみに、比較された睡眠薬は次の通り。

  • ゾルピデム
  • ゾピクロン
  • ザレプロン
  • ベンゾジアゼピン系

それでは、刺激制御法の手順について説明します。
大きくわけて手順は6つです。

  • 1.眠いときだけベッドを使う
  • 2.ベッドでは睡眠あるのみ
  • 3.眠れないときはベッドから出る
  • 4.手順1〜3を繰り返す
  • 5.毎朝、同じ時間に起きる
  • 6.昼寝をしない

それぞれ詳しく解説を入れていきます。
どれも非常に重要な手順なので、しっかりチェックしましょう!

手順1.眠いときだけベッドを使う

まず、1つ目の手順が「眠いときだけベッドを使う」です。

眠気が襲ってくるまでベッドを使ってはいけません。
眠たくなるまでリビングで時間を潰しましょう。

決してベッドで眠気を待ってはいけません。

ベッドで眠気を待ってはいけない理由

刺激制御法はパブロフ型条件づけに基づいています。
パブロフ型条件づけとは学習による条件反射のこと。

例えば、梅干しを想像して唾液が出るのはパブロフ型条件づけによるものです。

梅干しを食べる

すっぱいことを学習する

梅干しを想像する

条件反射で唾液が出る

そして、不眠症の方はベッドに対して悪い学習をしてしまっています。

ベッドに入る

眠気を待つ

眠れない

焦りや不安を感じる

ベッドはストレス対象だと学習する

翌日、ベッドに入る

条件反射でストレスを感じる

不眠症になる

本来、ベッドはリラックスする空間です。

しかし、眠れなかった経験が積み重なるとベッドはストレス対象に変わってしまいます。

不眠症は寝室に入ると目が覚める

事実、不眠症の人はベッドをストレス対象だと無意識に認識しています。

イギリスにあるグラスゴー大学の実験では、寝室が及ぼす不眠症への影響が調べられました。

実験の対象者
  • サンプル数:30人
  • 男性   :47%
  • 女性   :53%
  • 平均年齢 :29.2歳

なお、実験の対象者のうち半分が軽〜中度の不眠症とのこと。

実験では次の3回に渡って主観的な覚醒度についてアンケートが実施されました。

  • 就寝の3時間前
  • 就寝の1時間前
  • 就寝の直前

ただし、アンケートの実施場所は就寝の直前のみ寝室です。

実験の結果、次のことがわかりました。

  • 不眠症ではない人:寝室にいると覚醒度が大きく下がる
  • 不眠症の人   :寝室にいると覚醒度が下がらない

覚醒度が下がらないということはリラックスできていないということ。
不眠症の人はベッドを目の前にしてしまうと、緊張の糸がほぐれません。

ベッドは眠る場所だと学習を上書きする

不眠症の人はベッドをストレス対象だと学習してしまっています。
そのため、眠れないということ。

その対策として、ベッドに対する学習を上書きします。

眠気が来るまで待つ

ベッドに入る

眠れる

ベッドは眠る場所だと学習する

翌日、ベッドに入る

条件反射で体が睡眠モードになる

不眠症が治る

ポイントはベッドに入ったら直ちに眠ること。
眠気が浅い段階でベッドに入ると考えごとをしてしまいます。
仕事のことや将来のことを思い浮かべてしまうと眠れなくなるでしょう。

ベッドは眠る場所です。
考えごとをする場所ではありません。

誤った学習を上書きしましょう。
そのためには、ベッドで苦労せずに眠れた経験を繰り返す必要があります。

くれぐれもベッドで眠気が来るのを待ってはいけません。

手順2.ベッドでは睡眠あるのみ

次に、2つ目の手順が「ベッドでは睡眠あるのみ」です。

睡眠以外の目的でベッドを使用してはいけません。
ベッドは眠る場所です。

睡眠以外の目的でベッドを使うと、誤った学習を引き起こします。
例えば、ゲームやテレビ、スマホ、食事、読書。

リラックスタイムとしてもベッドを使ってはならないということです。
ベッドと睡眠の結びつけが弱くなります。

時計を見るのもNG

ベッドは本当に眠るだけの場所です。
時計を見るのも許されません。

とくに、不眠症の人は時間を気にしすぎて焦りを増長させます。
その結果、眠れなくなるということ。

イギリスにあるオックスフォードで実施された実験では、時計の確認が睡眠に影響を及ぼしました。

実験の対象者
  • サンプル数:38人
  • 男性   :29%
  • 女性   :71%
  • 平均年齢 :20代前半

なお、実験の対象者は全員不眠症とのこと。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 時計を見る
  • 時計を見ない

時計を見るグループは、就寝時に時計を見て眠りにつくまでにかかった時間を報告するように指示されました。

時計を見ないグループは、就寝時に時計を見ることを禁止されます。
そのうえで、眠りにつくまでにかかった時間を報告するように指示されたそうです。

実験の結果、時計の確認の有無が睡眠に影響を与えました。
次の数値は普段の睡眠との比較です。

時計を見たグループ
  • 心配な気持ちが1.9倍増えた
  • 入眠開始時間が7.9分増えた
時計を見ていないグループ
  • 心配な気持ちが37%減った
  • 入眠開始時間が5.2分短くなった

ちなみに、入眠開始時間の測定は自己報告によるものではなく装置による測定です。

時計の確認は睡眠に害を及ぼします。

「もう、こんな時間だ」
「あと4時間しか眠れない」

もし、寝室に時計を置いているなら外しましょう。
目覚まし時計やスマホはベッドから見えない位置に配置すると良いです。

手順3.眠れないときはベッドから出る

次に、3つ目の手順が「眠れないときはベッドから出る」です。

いくら眠気があったとしても、いざベッドに入ると眠れなくなったなんて経験はあると思います。
そのまま、眠ろうと努力をしても余計に眠れなくなるだけです。

そして、ベッドをストレス対象だと学習してしまいます。

もし、ベッドに入って10分を超えて眠れなかったなら一旦、ベッドから出ましょう。
寝室以外の場所で再び眠気が来るのを待ちます。

寝付けなければリラックスして過ごす

寝付けなかったとしても落胆しないで下さい。

寝室以外の場所で好きなことをしてリラックスして過ごしましょう。
くれぐれも時計は見ないように。

SNSは厳禁

何をして過ごしても良いですが、SNSだけはやめて下さい。
メールのチェックも同じです。

SNSは刺激が強く、睡眠に悪影響があることがわかっています。

手順4.手順1〜3を繰り返す

次に、4つ目の手順が「手順1〜3を繰り返す」です。

この手順1〜3を眠れるまで繰り返しましょう。

  • 1.眠いときだけベッドを使う
  • 2.ベッドでは睡眠あるのみ
  • 3.眠れないときはベッドから出る

そうすることで、ベッドは眠る場所だと学習されます。

手順5.毎朝、同じ時間に起きる

次に、5つ目の手順が「毎朝、同じ時間に起きる」です。

毎朝、同じ時間に起きることで体内時計は正しく調整されます。
昨晩はあまり眠れなかったからといって延長はナシです。

辛いでしょうが頑張って起きて下さい。
とはいえ、最初のうちは大変だと思うので出来る範囲で構いません。

休日も規則正しく起きる

不眠症の人は平日に眠れなかった分、休日に多く睡眠時間を取ってしまいます。
休日は午後過ぎまで寝ている方も多いでしょう。

しかし、休日に体内時計を大きく崩してしまうと平日にしわ寄せがいきます。
週7日間、全て一貫した起床時間を設定しましょう。

手順6.昼寝をしない

最後に、6つ目の手順が「昼寝をしない」です。

昼寝をしてしまうと、夜に眠れなくなります。
眠たくても昼寝は我慢して下さい。

眠くなったら、運動をすると良いです。
夕方の運動は交感神経を高め、睡眠ホルモンであるメラトニンを抑制します。

5〜20分程度、目が覚めるまでジョギングをしましょう。

どうしても眠いとき

どうしても眠気が我慢できないときは昼寝をしても良いです。

ただし、次のルールは守って下さい。

  • べッドで寝ない
  • 昼寝は20分まで

ベッドは熟睡する場所です。
昼寝をする場所ではありません。

それから、昼寝は20分までにしましょう。
20分を超えると睡眠が深くなりすぎて、かえってパフォーマンスが悪くなることがわかっています。
それに、夜に眠れなくなります。

刺激制御法の効果

刺激制御法は簡単な6つの手順を守るだけです。
ただそれだけで、眠れるようになります。

今晩から試してみて下さい。
不眠症にも効果があります。

では、どのくらい刺激制御法が効果あるのかデータを2つ見ていきましょう。

その1.睡眠の質が高まる

アメリカにあるメンフィス大学の実験では、刺激制御法が不眠症の睡眠の質を高めました。

実験の対象者
  • サンプル数:44人
  • 男性   :52%
  • 女性   :48%
  • 平均年齢 :68.6歳

なお、実験の対象者は全員不眠症です。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 治療あり
  • 治療なし

治療ありグループのみ、睡眠に関するセッションを受けます。
セッションの内容が「刺激制御法」と「呼吸を使ったリラクゼーション」のレクチャーです。

実験のプログラム
  • 実施期間:2週間
  • 実施回数:週4回
  • 1セッション:1時間

実験の結果、治療を受けたグループのうち57%に改善が見られました。

実験開始から3ヶ月後の変化
  • 睡眠の質が1.2倍になった
  • 入眠開始時間が21.1分短くなった
  • 睡眠時間が44.5分伸びた

不眠症にも刺激制御法は効果的です。

その2.うつ病を寛解させる

刺激制御法はうつ病にも効きます。

アメリカで実施された実験では、うつ病に対して刺激制御法が行われました。

実験の対象者
  • サンプル数:30人
  • 男性   :39%
  • 女性   :69%
  • 平均年齢 :48.6歳

なお、実験の対象者は全員うつ病と不眠症の患者です。
また、抗うつ薬としてエスシタロプラム(SSRI)が投与されています。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 刺激制御法あり
  • 刺激制御法なし

刺激制御法ありグループは、CTB-Iと呼ばれる認知行動療法を受けました。
CTB-Iには刺激制御法が含まれます。

刺激制御法なしグループは、刺激制御法を含まない不安をコントロールする認知行動療法を受けました。

実験のプログラム
  • 実施期間:12週間
  • 実施回数:7回

実験の結果、認知行動療法の違いがうつ病の寛解に大きく影響を与えました。

うつ病の寛解率ー12週間後
  • 刺激制御法あり:61.5%
  • 刺激制御法なし:33.3%

残念ながら刺激制御法ありとなしグループ間で統計的な有意差が出なかったものの刺激制御法を含んだ方が効果は高い傾向です。

ただし、不眠症の寛解率に関しては文句なしにグループ間で統計的な有意差があります。

不眠症の寛解率ー12週間後
  • 刺激制御法あり:50.0%
  • 刺激制御法なし:7.7%

まとめ

刺激制御法はベッドの使い方を気をつけるだけです。
それだけで、不眠症に効果があります。

次の6つの手順を覚えて下さい。

  • 1.眠いときだけベッドを使う
  • 2.ベッドでは睡眠あるのみ
  • 3.眠れないときはベッドから出る
  • 4.手順1〜3を繰り返す
  • 5.毎朝、同じ時間に起きる
  • 6.昼寝をしない

とても簡単なので今晩から実践しましょう!

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