ASD(自閉症スペクトラム障害)は胃腸の問題を抱えやすいとされています。
胃腸が悪いほど、自閉的な傾向は強まるそうです。
反対に、胃腸の症状が少なければ自閉的な傾向は弱くなります。
つまり、胃腸を整えることはASDの治療になる可能性があるということです。
そこで胃腸を整える手段となるのが、プロバイオティクスです。
プロバイオティクスとは、ビフィズス菌や乳酸菌といった人体に良い影響を与える善玉菌のこと。
納豆やキムチ、ヨーグルトといった発酵食品にプロバイオティクスは含まれています。
では、ASDと胃腸の関係についてデータを4つ見ていきましょう。
その1.ASDは胃腸の問題を7.92倍抱えやすい
アメリカのカリフォルニアで実施された調査では、ASDの多くが胃腸に問題を抱えていました。
なお、調査の対象者のうち52%がASDとのこと。
調査の結果、定型発達に比べASDは胃腸の問題(腹痛や便秘、下痢など)を7.92倍抱えやすいことがわかりました。
ASDは胃腸が悪くなりやすいと言えます。
その2.胃腸が悪いほどASDの症状が強まる
さきほどのカルフォルニアで実施された調査の続きです。
ASDの子供の中でも、胃腸に問題を抱えているASDほど自閉的な傾向が強かったそうです。
これはアリゾナ州立大学で実施された実験とも結果が一致しています。
アリゾナ州立大学の実験では、胃腸症状が悪いほどASDの症状が強まりました。
胃腸症状が悪いASDと普通のASDと比べると、胃腸症状が悪いASDは1.7倍もASD症状が強かったです。
その3.プロバイオティクスはASDを防いだ
プロバイオティクスはASDの予防となる可能性があります。
というのも、フィンランドの実験でプロバイオティクスがASDの発症を抑えたという驚くべき結果が出ました。
なお、実験の対象者は生まれたばかりの赤ちゃんになります。
実験の対象者は2つのグループにわけられました。
- プロバイオティクス
- プラセボ
プラセボは偽薬のことで、中身はなんの効果もない物質が入っています。
比較対象として用意されました。
それぞれのグループでプロバイオティクス又はプラセボを毎日摂取させられました。
また、摂取されたプロバイオティクスに含まれていた菌は1種類です。
- ラクトバチルス・ラムノサス菌
なんと、このプロバイオティクスとプラセボの違いだけで発達障害の発症率に差が生まれました。
実験の対象者が13歳に成長した時点での発達障害の発症率は次のとおりです。
プロバイオティクスを摂取したグループの発達障害の発症率は、まさかの0%。
この結果は偶然かもしれませんが、腸が脳の発達に与える影響は大きい可能性を示しています。
その4.プロバイオティクスはASDを緩和させる
ASDを緩和させる治療はいくつかありますが、プロバイオティクスはASDを緩和させる方法の一つになると言えそうです。
中国で実施された実験では、プロバイオティクスがASD症状を緩和させました。
なお、実験の対象者は全員ASDと診断されています。
実験の対象者は2つのグループにわけられました。
- ABA+プロバイオティクス
- ABAのみ
ABA(Applied Behavior Analysis)とは応用行動分析と呼ばれるASDの症状を和らげる行動トレーニングです。
ABA+プロバイオティクスグループのみ、プロバイオティクスを摂取します。
実験の結果、両方のグループでASD症状の緩和が見られました。
しかし、最も効果が高かったのはABA+プロバイオティクスを摂取したグループです。
まとめ
ASDは胃腸が悪いことが多く、胃腸の乱れがASDを悪化させます。
胃腸を整える手段として、プロバイオティクスは有効的です。
脳と腸は迷走神経で繋がっていて、腸を整えると脳の働きが変わることもわかっています。
腸が整えば脳の発達やメンタルの健全化に貢献するでしょう。
プロバイオティクスは納豆やキムチ、ヨーグルトといった発酵食品から摂取できます。
ですが、安定して摂取するにはサプリメントの方がオススメです。
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