ADHDはストレスを抱えやすい存在です。
とくに、不注意優勢型は感覚過敏が強くストレスに晒されやすいでしょう。
もちろん、多動・衝動性優勢型や混合型も日々、ストレスを感じていると思います。
ただし、不注意優勢型ADHDはとくにストレスに弱いです。
不注意優勢型ADHDはストレスを浴びると高反応を見せます。
ADHDの種類によってストレス反応が異なる
ADHDには3種類あると言われています。
- 不注意優勢型
- 多動・衝動性優勢型
- 混合型
それぞれの型の説明は割愛しますが、型によってストレス反応が異なるそうです。
不注意優勢型はストレスに対して高反応。
ストレスホルモンが大量に分泌されます。
そうなると、不安やイライラは加速することでしょう。
不注意優勢型ADHDは高ストレス反応
European Child & Adolescent Psychiatryという学術雑誌に掲載された実験によると、不注意優勢型ADHDはストレス反応が高かったそうです。
定型発達とはADHDではない人のことです。
実験の対象者は、あるストレス課題を受けます。
初対面の人前で5分スピーチするというもの。
多くの方がストレスに感じる課題でしょう。
このストレス課題の前後で、唾液中のコルチゾールを採取されました。
コルチゾールはストレスホルモンの一つで、ストレスを感じていると分泌されます。
つまり、コルチゾールの分泌量が多ければ、それだけストレスを感じたということ。
実験の結果、不注意優勢型ADHDが最も高いストレス反応を見せました。
不注意優勢型ADHDは分泌されたコルチゾールが多い
不注意優勢型ADHDは、混合型ADHDや定型発達に比べると分泌されたコルチゾールが多かったです。
次の画像は分泌されたコルチゾールの量を表しています。
棒グラフが高いほど、分泌されたコルチゾールが多いということ。
- 赤の矢印:不注意優勢型ADHD
- 青の矢印:混合型ADHD
- 緑の矢印:定型発達
同じストレスを受けたにもかかわらず、不注意優勢型ADHDはコルチゾールの分泌量が多いことがわかります。
不注意優勢型ADHDはストレスに弱いと言えるでしょう。
混合型ADHDは分泌されたコルチゾールが少ない
一方、混合型ADHDはストレス反応が鈍いです。
定型発達と比べても遥かにコルチゾールの分泌が少ないです。
もちろん、混合型ADHDも二次障害によりストレスを抱えていると思います。
ですが、シーンごとのストレス反応は低い傾向です。
不注意優勢型ADHDはストレスが1.4倍
さきほどの実験は子供が対象でしたが、成人でも同じような結果が出ています。
The International Journal of Neuropsychopharmacologyという学術雑誌に掲載された実験でも、不注意優勢型ADHDは高いストレス反応が見られました。
実験の対象者は、ストレス課題として模擬の就職面接や数学の暗算などを受けたそうです。
こちらの実験も唾液中のコルチゾールが調べられました。
実験の結果、やはり不注意優勢型ADHDは最も高いストレス反応を見せました。
ただし、主観的に感じたストレスの度合いは混合型ADHDも高かったです。
ADHDは主観的なストレスが高い
混合型ADHDはストレス反応こそ低かったですが、主観的に感じたストレスは高めです。
アンケートによる主観的なストレス調査では、混合型ADHDは不注意優勢型ADHDと変わらず高いストレスを感じていました。
また、どちらのADHDも日常生活を困難に感じています。
日常生活における主観的なストレスが定型発達より高い傾向でした。
まとめ
不注意優勢型ADHDはストレスに弱く高反応です。
ストレスに晒されるとコルチゾールのようなストレスホルモンが過剰分泌されます。
そうなると、不安やイライラは加速するでしょう。
もちろん、多動・衝動性優勢型や混合型もストレスに気をつける必要があります。
主観的なストレスは、やはり高い傾向です。
とはいえ、ストレスの受け止め方を変えるなんて一筋縄では行きません。
地道な努力が必要です。
一つの方法としては、運動をすることです。
運動はストレス耐性を鍛えることができます。
ストレスに弱いADHDは、ぜひ運動に取り組んでみてください:)
Comments