反すうとは、過去の出来事や否定的な考えが頭の中で反復する症状です。
なんの脈略もなしに何年も前のことを思い出す。
まるで昨日のことのように鮮明にフラッシュバックする。
否定的な考えが堂々巡りする。
こういった症状が出ているなら、あなたは反すうを起こしています。

小学校の嫌な思い出が消えない…
誰しも少なからず、反すうは起こすものです。
しかし、反すうを放置しているとうつ病になったり、ADHDが悪化します。
反すうを止めましょう。
止める方法はあります。
ADHDは反すうによって悪化する
ADHDというのは、反すうによって悪化します。
パフォーマンスを下げたり、前頭前野と呼ばれる脳が弱くなったり縮小します。
まずは、反すうが与えるADHDへの影響を見てみましょう。
反すうを止める方法については、後ほど紹介します。
ちなみに今、ADHDではない方も反すうによってADHDになってしまう恐れがあります。
反すうが脳の構造を変えるからです。

反すうは恐ろしい…
反すうは読解力を下げる
反すうはADHDのパフォーマンスを下げます。
オランダで実施された実験では、反すうが強いADHDは読解力が低かったそうです。
なお、実験の対象者は全員大学生とのこと。
実験では、読解力をテストするために読書をするよう指示されます。
- 読まれた本:シャーロック・ホームズの「赤毛組合」
- 読書時間 :30〜45分程度
そして読み終わった後、読解力を試す問題がいくつか出題されました。
実験の結果、反すうが強いADHDほど読解力が低かったです。

反すうを起こすと、パフォーマンスが下がるんですね
反すうが強いほど不注意が強まる
また、反すうが強いADHDにはある特徴がありました。
不注意優勢型のADHDほど、反すうが強い傾向です。
反すうは前頭前野を弱くする
なぜ、反すうがADHDを悪化させるかと言うと前頭前野が関わっています。
前頭前野とは脳の一部のこと。
などなど。
ADHDは前頭前野が元々弱いのですが、反すうによって更に弱くなります。
なぜなら、反すうはストレスを生み出し、前頭前野の機能を低下させるからです。
ストレスは注意力を弱める
Neurobiology of Learning and Memoryという学術雑誌に掲載された実験では、ストレスを浴びると注意力や行動抑止力が弱まりました。
実験の対象者は2つの条件で、ある課題をするように指示されます。
- 休憩後
- ストレス後
ストレスはTSST(Trier Social Stress Test)と呼ばれるストレス負荷がかけられました。
人前でスピーチしたり、暗算タスクをするというもの。

ストレスがグッとあがりますね
出題された課題はGo/NoGo課題と呼ばれる注意力や行動抑止力が試される課題です。
注意力や行動抑止力というのは前頭前野が司っています。

Go/NoGo課題の結果が悪ければ、前頭前野が機能していないということですね
実験の結果、ストレスを浴びた方がGo/NoGo課題の結果が悪かったです。
ストレスは前頭前野を弱くしています。
ストレスはワーキングメモリーを弱める
また、ストレスはワーキングメモリーも弱らせます。

ワーキングメモリーも前頭前野が司っているんでしたね
ワーキングメモリーは、暗算や情報処理能力に関わっていて頭の回転の早さとも言えます。
Frontiers in Behavioral Neuroscienceという学術雑誌に掲載された実験では、ストレスを浴びるとワーキングメモリーが弱まりました。
やはり、ストレスは前頭前野にとって毒です。
反すうを続けていると、ストレスで前頭前野の機能を低下させてしまうでしょう。
反すうは前頭前野を縮小させる
慢性的な反すうは危険です。
前頭前野を弱くするだけでなく、縮小させてしまいます。
NeuroImageという学術雑誌に掲載された調査によると、唾液中に含まれるコルチゾールのレベルが高い人ほど前頭前野の体積が小さかったそうです。

コルチゾールとは、ストレスを感じると副腎皮質から分泌されるストレスホルモンのこと
このコルチゾールと反すうは関わりがあります。
反すうを起こすとコルチゾールが分泌されるのです。
つまり、反すうは前頭前野を縮小させると言えます。
反すうを起こす
↓
副腎皮質からコルチゾールが分泌される
↓
前頭前野が縮小する
元々、ADHDは前頭前野の体積が小さいです。
それが更に縮小してしまうと、ADHDは悪化するでしょう。
実際に、前頭前野の体積とADHD症状の重さは相関しているというデータがいくつもあります。

反すうが脳の縮小を起こすなんて、恐ろしい…
反すうを止める方法
脳の構造まで変えてしまう恐ろしい反すう。
なんとしても止めなければなりません。
いくつか方法はあるのですが、手っ取り早い方法を2つ紹介します。
どちらかをやるのではなく、複合的に行うことで効果が促進されるでしょう。
その1.運動をする
運動は反すうに対して効果的です。
有酸素運動でも筋トレでも構いません。
ただし、中強度(ややキツめ)で実施してください。
また、実施回数は週2回30分の運動で反すうが減ったそうです。
緑地で運動することで効果が高まる
運動する場合は、場所にもこだわったほうが良いです。
公園や庭、森林などの緑地には反すうを減らす力があります。
緑地で運動するのであれば、軽いウォーキングで十分です。
激しめの運動がニガテな方は、緑地へ行きましょう!
運動は前頭前野を鍛える!
運動は根本的なADHDの治療になります。
反すうは前頭前野を縮小させますが、運動は前頭前野を拡大させるのです!
反すうばかり起こして前頭前野を弱らせている方は、定期的な運動に取り組みましょう。
その2.栄養を摂る
栄養が足りていないと反すうを起こしてしまいます。
とくに、必要なのがビタミンB郡。
精神の安定に欠かせません。
ただし、ドラッグストアで売っているサプリでは栄養価が低すぎます。
そこで、栄養価が高い海外のサプリをオススメします。
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まとめ
反すうはパフォーマンスの低下を招き、前頭前野を弱らせ縮小させます。
そうなると、ADHDの症状は悪化するでしょう。
反すうを起こしているなら、今すぐ止める努力をすること。
放置してはいけません。
反すうを手っ取り早く止めるには、運動と栄養です。
両方を複合的に取り入れることで、反すうは減ってきます。
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