ADHDの脳を鍛える方法

アイキャッチADHD(注意欠陥・多動性障害)
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ADHDの原因は脳の発達に関係しています。
定型発達(ADHDではない)に比べ、ADHDは脳の総体積が小さいです。
とくに、前頭前野と呼ばれるおデコの裏側にある脳が未熟で不活性。

その結果、不注意や多動・衝動性に繋がっています。

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ADHDは脳が凹んでいるんですね

ADHDの方は脳が未熟であることに対して、ショックを受けているかも知れません。

しかし、安心して下さい。
ADHDの脳は鍛えることができます!

ADHDは脳が未熟である

多くの研究でADHDの脳が調べられています。

どの研究も一貫して、ADHDの脳が未熟であるという結果です。

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ガーン…

脳が未熟だからといって落ち込まないで下さい。
伸びしろはあります!
脳は鍛えることができるのです。

まずは、ADHDの脳について何が欠けているのか見ていきましょう。

ADHDは脳の総体積が3%小さい

ADHDは脳全体の体積が定型発達に比べ、小さいことがわかっています。

アメリカのメリーランド州で実施された調査では、ADHDは脳の総体積が3%小さかったそうです。

調査の対象者
  • ADHD  :152人
  • 定型発達:139人
  • 年齢  :4.5〜19歳

MRIで脳をスキャンすると、ADHDにはある特徴が見られました。
それは、ADHDは大脳(前頭葉、側頭葉、頭頂葉、後頭葉)と小脳が全体的に小さいということ。

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小脳は運動能力に関わりアリ

他の研究でも同様です。
ADHDは脳の総体積が2〜5%ぐらいは小さいことがわかっています。

脳の総体積が小さいほどADHDが強まる

脳の総体積とADHD症状は関係があります。

オランダにあるラドバウド大学の調査では、脳の総体積が小さいほどADHDが強まったそうです。

とくに、その傾向は不注意の症状で見られました。

ADHDは前頭前野の発達が遅れている

全体的に脳の体積が小さいADHDですが、とくに前頭前野の発達が遅れています。

前頭前野の役割
  • 計画を立てる
  • 我慢をする
  • ワーキングメモリーの活用
  • 注意の切り替え

などなど。

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ADHDがニガテなことばかり

Cerebral Cortexという学術雑誌に掲載された調査では、ADHDは前頭前野の表面積が小さかったそうです。

調査の対象者
  • ADHD  :94人
  • 定型発達:94人
  • 年齢  :6〜28歳

他にも多くの研究で、ADHDは前頭前野の総体積が小さいことが確認されています。

ADHDは前頭前野が不活性である

ADHDは前頭前野の総体積が小さいだけでなく、活動も不十分です。

イギリスのケンブリッジで実施された実験では、ADHDは前頭前野の活動が低いことがわかっています。

実験の対象者
  • ADHD  :19人
  • 定型発達:19人
  • 平均年齢:28歳

なお、10人のADHDは投薬治療を受けているとのこと。

実験では、Go/No-Go課題と呼ばれる前頭前野が活動する課題が実施されました。

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行動の抑止能力や注意力が試される課題

実験の結果、Go/No-Go課題を実施してもADHDは前頭前野が活動しませんでした。
定型発達に比べ、右側の前頭前野が不活性だったそうです。

ADHDの脳を鍛える

ADHDは脳の総体積が小さく、とくに前頭前野で発達の遅れが見られました。

つまり、ADHDの脳を鍛えるには脳の総体積を増やし、前頭前野を強化する必要があります。

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でも、そんなことできるのでしょうか?

結論、できます。
ADHDの脳を鍛える方法は「運動」です。

運動をすることにより、脳の総体積が増え、前頭前野が強化されます。

体力が高い子供ほど脳の総体積が大きい

スペインとアメリカで実施された実験では、体力が高い子供ほど脳の総体積が大きいことがわかっています。

実験の対象者
  • サンプル数:242人
  • 年齢   :7〜9歳

実験の対象者は20mのシャトルランを実施し、体力を測定されました。

実験の結果、シャトルランでいい成績を収めた体力が高い子供ほど脳の総体積が大きかったです。
多くの脳領域が発達しています。

また、体力が高い子供は学業の成績も優秀です。

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子供の頃、全然運動してこなかった…

心肺フィットネスが強い人ほど前頭前野が発達している

Brain, Behavior, and Immunityという学術雑誌に掲載された実験によると、心肺フィットネスが強い人ほど前頭前野が発達しているそうです。

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ADHDは前頭前野の体積が小さく不活性でしたね

実験の対象者
  • サンプル数:142人
  • 平均年齢 :66.6歳

実験では2つの認知課題が出題されました。

  • 空間ワーキングメモリ:海馬の機能が試される課題
  • ストループ     :前頭前野の機能が試される課題

その後、心肺フィットネスの強さが測定されました。
実験の対象者はルームランナーを使って走らされたそうです。

実験の結果、2つのことがわかりました。

心肺フィットネスが強い人の特徴
  • 認知課題の成績が高い
  • 脳の総体積が大きい
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いっぱい走れる人ほど、脳が強い

心肺フィットネスが強ければ認知課題の成績が高まる

心肺フィットネスが強い人は、認知課題の成績が高かったです。
認知課題は、海馬と前頭前野の機能が試されていました。

つまり、心肺フィットネスが強くなれば海馬と前頭前野の機能が鍛えられるということです。

心肺フィットネスが強ければ脳の総体積が大きくなる

心肺フィットネスが強い人は、脳の総体積も大きくなります。

  • 前頭前野
  • 運動皮質
  • 帯状回
  • 頭頂葉
  • 側頭葉

などなど、いくつかの脳領域が大きかったそうです。

脳の総体積を大きくしたければ、走り込みをして心肺フィットネスを鍛えましょう。

6ヶ月の有酸素運動が脳の総体積を増加させる

若ければ若いほど、脳を鍛えやすいでしょう。
とくに、子供はこれから脳が発達するため有利です。

しかし、歳を取っても脳は鍛えることができます。

アメリカのイリノイ大学の実験では、6ヶ月の有酸素運動により高齢者の脳の総体積が増加しました。

実験の対象者
  • サンプル数:59人
  • 年齢   :60〜79歳

なお、実験の対象者は普段、あまり運動をしていない層とのこと。

実験の対象者は2つのグループにわけられました。

  • 有酸素運動:中強度(ややキツめ)の有酸素運動
  • ストレッチ:60歳以上を対象にしたストレッチ運動
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どちらの運動が脳を鍛えるのか?

運動のプログラムは次の通りです。

運動のプログラム
  • 実施期間  :6ヶ月
  • 実施回数  :週3回
  • 1セッション:1時間

なお、6ヶ月の出席率は85%だったとのこと。

実験の結果、有酸素運動を行ったグループは脳の総体積が増加しました。
いくつかの脳領域が増加しています。

ストレッチでは、その効果は見られません。

ブレイブ
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ある程度の運動負荷は必要ということですね

6ヶ月の有酸素運動で前頭前野が増加した

6ヶ月の有酸素運動は、とくに2つの脳領域を増加させました。

  • 前頭前野
  • 側頭葉

前頭前野はADHDが弱いとされている脳領域です。
それが運動によって鍛えられました。

ブレイブ
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前頭前野は運動によって鍛えやすい脳領域である

側頭葉は言語や聴覚、記憶、感情の制御を司っています。
キレやすい人や不安になりやすい人は側頭葉が弱いです。

脳を鍛えるには数ヶ月必要とする

脳を鍛えるには、何ヶ月必要か?

個人差もあるのでハッキリと言えませんが、最低6ヶ月ほどは必要なようです。
他の実験を見ても6ヶ月くらいは掛かっています。

ブレイブ
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ADHDにとっては気が長い話ですね

脳は1日で鍛えられません。
長期間、トレーニングすることで鍛えられます。

ただし、6ヶ月待たないと効果はないのかというと、そうではありません。
運動をしたその日から恩恵を受けられます。

単発の運動でも前頭前野は活性化する

ややキツめの運動を1回するだけで、前頭前野が活性化することがわかっています。

前頭前野が活性化すれば、集中力は高まることでしょう。

5分のランニングで集中力は高まる

集中力を高めたければ、5分で十分だそうです。

ADHDが5分、激しめにランニングしたところ集中力が高まったという結果が出ています。

運動をしないとADHDが悪化する

運動はするかしないかではなく、するしかありません。

運動をしないと、ADHDが悪化すると言えます。
なぜなら、前頭前野は運動不足により縮小しやすい脳領域だからです。

ブレイブ
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前頭前野は運動量に左右されるんですね

Medicine & Science in Sports & Exerciseという学術雑誌に掲載された調査によると、運動不足が前頭葉の縮小に関わっていることを示しました。

調査の対象者
  • サンプル数:774人
  • 平均年齢 :60歳

調査は8年前から遡って調べられたそうです。

調査の結果、運動不足であるほど前頭葉が縮小していました。
前頭葉は前頭前野を含む大きい脳領域の名前です。

前頭葉が縮小していれば、前頭前野も縮小しているということ。

運動不足だと前頭葉が3.4倍縮小する

運動不足だと前頭葉が3.4倍縮小するそうです。

次の2つのセグメントの前頭葉が比較されました。

  • 運動量が多い上位20%
  • 運度量が少ない下位20%

比較した結果、運度量が少ない下位20%の方が前頭葉の縮小が進んでいました。
オッズ比で3.4倍も縮小が進んでいます。

ブレイブ
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運動は前頭葉の縮小を食い止める

まとめ

ADHDは脳の総体積が小さく、前頭前野の発達が遅れています。
そのため、ADHDの症状を発症しているということ。

しかし、運動によって脳を鍛えることができます。
運動は脳の総体積を増やし、前頭前野を活性化させます。
脳を鍛えたければ、フィジカルを鍛えましょう。

運動不足は脳に毒です。
脳の縮小を早めます。

運動は単発でも効果的です。
前頭前野が活性化します。
やらない手はないです。

ですが、継続的な運動を心がけましょう。
6ヶ月運動を続けることで、脳は鍛えられます。
最低でも週3回20~30分はしたいですね:)

脳を鍛えるには運動しかない!最新科学でわかった脳細胞の増やし方

参考論文
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