ASD(自閉症スペクトラム)は運動に対して、あまりいい思い出はないと思います。
実際、ASDは運動能力に問題を抱えることが多いです。

みんなができることが、できなくて悔しい思いをしてました😭
しかし、ASDは運動をするメリットがたくさんあります。
こだわりグセが軽減したり、コミュ力がアップしたり、睡眠の質が上がったり。
良いことづくしなのです!
運動オンチなASD
ASDの多くは運動オンチです。
ですので、運動がニガテでも恥ずかしいことではありません。

ASDはみんな運動がニガテ、私もニガテ
まずは、運動オンチであることを受け入れて運動に取り組んでいきましょう。
いくつかASDは運動がニガテであるというデータを紹介します。
その後に、ASDが運動するメリットを紹介します!
ASDの79.2%は運動がニガテだった
イングランドで実施された調査によると、ASDの大多数が運動能力に問題を抱えていたそうです。
調査の対象者は全員ASDと診断されています。
なお、運動能力の評価にはM-ABC(Movement Assessment Battery for Children)と呼ばれる検査が実施されました。
調査の結果、101人中80人のASDに運動能力の問題が見られたそうです。
つまり、ASDの79.2%は運動がニガテだったということ。

ASDが10人いれば8人は運動がニガテ
ASDがとくにニガテな運動
ASDはとくに、次の運動がニガテだったそうです。
- バランスをとる
- ボールを捕球する
- 手先を使う

私もダンスやドッチボール、工作がニガテ…
ASDはコケやすい
ASDは歩行すらニガテです。
つまづいて転んだという経験は山程、味わっていると思います。

障害のない平地でコケるプロでした
中国の北京大学の実験では、歩行に問題を抱えているほどASDの重症度が高まったそうです。
平均年齢5.39歳のASDと定型発達(ASDではない)の子供を歩行させたところ、ASDの歩行にある特徴が見られました。

これは、コケるw
ASDの歩行特徴が強いほど、ASDの重症度が高い傾向が見られています。
年を取ると運動嫌いになるASD
ASDは年を取ると段々、運動を嫌いになります。
当てはまる方も多いのではないでしょうか。
BMC Research Notesという学術雑誌に掲載された実験によると、年を取ったASDほど運動時間が少なかったそうです。
なお、実験の対象者は全員ASDです。
年齢と運動の相関を調べるために、ASDは2つのグループに分けられました。
- 年少(9〜11歳)
- 年長(12〜18歳)
実験は7日間実施されました。
加速度計を体につけて、運動量や運動時間を計測したそうです。
実験の結果、年長のASDの方が運動時間が短いことがわかりました。
年長のASDは放課後に中強度の運動を10分しかしない
年長のASDは自ら運動をしようとしません。
放課後に実施された運動時間を見てみましょう。
中強度とは、最大心拍数の60〜70%くらいの運動です。
年を取ると運動時間が7分も少なくなってしまいました。
なぜ、年長のASDは運動時間が短いのか?
なぜ、ASDは年を取ると運動時間が短くなるのか?
考えられる理由は2つ。
- 運動に対して、否定的な出来事を経験した
- ゲームやインターネットにハマった

どちらも、私の経験談w
実験のデータを見ても、運動時間が短くなった分、座っている時間が大幅に増加しています。
運動はASDを助ける
ASDは運動オンチですが、運動をするメリットはたくさんあります。
- こだわりグセが減る
- 社交性が向上する
- 睡眠障害が緩和される
どれもASDであれば、悩みのタネです。
しかしそれは、運動することで解決します。
こだわりグセが減る
ASDは独自のルーチンや儀式行動を持っています。
言い方を変えれば、こだわりグセのことです。

専門用語で「常同行動」と言う
しかし、そのだわりグセは減らすことができます。
低〜中強度の運動を10~15分しましょう。
こだわりグセが減り、気持ちが落ち着いてきます。

セロトニンが分泌され、こだわりグセが緩和される
社交性が向上する
ASDは社交性能力に問題を抱えていて、自分の殻に閉じこもりがちです。
社交性が低すぎると、引きこもりやニートになってしまいます。

私も一時期、引きこもり&ニートでした
ですが、運動を通して社交性を鍛えることができます!
グループワークの運動をすると、次の能力が高まります。
- 協調性
- 自制心
- コミュニケーション能力
ポイントは、誰かと一緒に運動すること。
もちろん、運動する相手がいなくて困っていると思います。
その場合は、ヨガクラブとかフィットネスジムに通われることをオススメします。
1人で運動するのではなく、なにかしらのグループの輪に入って運動をしましょう。

でも、人がいるとソワソワする
もちろん、抵抗があると思います。
しかし、社交性が高まれば人生は変わると言っても過言ではありません。
自分の殻を破るには運動が最適です。
雑談も楽しめるようになります。
睡眠障害が緩和される
ASDの多くは睡眠障害を抱えています。
しっかり眠ることは大切です。
眠れないと、感覚過敏や不注意の症状が高まってしまいます。

睡眠障害はASDの生きづらさを助長する
なんと、運動は睡眠障害にも効果的なのです。
実際に運動を行ったASDは睡眠の質が向上しています。
- 睡眠時間が伸びた
- 覚醒回数が減った
- 朝の気分が良くなった
- 入眠開始までの時間が短くなった
中強度の運動を30分〜60分行うことで、心地よい眠りにつけるでしょう。
まとめ
残念ながらASDは運動オンチです。
運動が嫌いだというASDも多いことでしょう。
しかし、運動はASDの助けになります。
過去の暗い出来事は忘れて、運動を楽しんで下さい!
週3回、中強度の運動を20〜30分するだけで変わってきます。
こだわりグセや社交性、睡眠障害といった問題が緩和するハズです。
ずいぶん、気持ちが楽になりますよ:)
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