あなたの部屋は何色でしょうか?
疲れているときは、落ち着きを感じる色がいいでしょう。
元気になりたいときは、ワクワクする色がいいですね。
実は、部屋の色が違うだけで、快適さが変わるのです。

でも、どんな部屋の色がいいのでしょう?
そういった部屋の色が及ぼす気分への効果を調べた実験があります。
暖色と寒色、それから無彩色の3つの色の部屋が調査されました。
部屋の色が快適さを決める
部屋の色が快適さを決めると言っても過言ではありません。
部屋の色によって、気分や感じ方が大きく異なるという実験結果があります。
トルコのセルチュク大学とハジェテペ大学で実施された実験で、部屋(インテリア)の色が及ぼす気分への影響が調査されました。
色には大雑把に分けると、3色あります。
それは、暖色と寒色と無彩色です。

暖色は赤系で、寒色は青系、無彩色は白や黒、グレー
その3色を使って、3つの部屋を作り、それぞれの感じ方をテストされました。
3つの部屋とは、暖色の部屋と寒色の部屋、それから無彩色の部屋です。

私はモノトーンの無彩色の部屋に住んでいます
例えば、色が及ぼす体感温度感の影響であれば想像しやすいでしょう。
暖色の部屋は暖かく感じ、寒色の部屋は冷たく感じるハズです。
しかし、安心感が高いのは、どちらでしょう?
また、無彩色の部屋の場合は?
そういった気分への影響が、今回の実験で明らかになりました。
実験の詳細
実験の詳細を説明します。
暖色と寒色、それから無彩色の3つの部屋を見て、どのように感じたのかアンケートに答えるというものです。
アンケート結果から、それぞれの部屋の色が持つ効果や特徴がわかります。
実験の対象者
今回の実験の対象者は、18〜24歳の290名。
トルコのセルチュク大学とハジェテペ大学の学生さんです。
なお、女性比率が少し多く66%が女性とのこと。
3つの部屋(赤・青・グレー)を評価する
今回の実験は、3つの部屋が用意されています。
暖色と寒色と無彩色の部屋です。
暖色と言っても、幅が広く数多くの色があります。
今回は暖色の中でも代表的な赤が使われました。
寒色も同じく代表的な青が使われ、無彩色にはグレーが使われています。

赤以外の暖色は黄色や橙、青以外の寒色は紫があります
実際に使われた部屋の色は、こちらです。
左右の部屋で家具配置が違いますが、気にしなくて大丈夫です。
色だけでなく、家具配置も変えて影響があるか、2回実験されました。
結果は、家具配置よりも部屋の色の方が影響度が大きいということがわかりました。

左が第一回目の実験の家具配置で、右が第二回目の実験の家具配置
なお、部屋の照度や照明の色は全て統一されています。

照明の強さや色が違うと、感じ方も変わってしまいます
部屋の家具配置そのまま。
そのうえで、部屋の色だけ変えて、感じたことをアンケートに答えるという実験です。
部屋の色は、赤の部屋と青の部屋、それからグレーの部屋の3つとなります。
本物の部屋ではない
先ほど、見せた赤と青の部屋は本物の部屋ではありません。
3DのCADシステムで、超リアリティに作られた仮想空間です。

本物そっくりですね
CADで作られたので、色を変えるだけなら簡単です。
この高度に作られた仮想空間の画像を被験者に見せて、実験されました。
見せられる画像は、色違い(赤・青・グレー)の3パターンの画像です。

でも、仮想空間の実験は有効なのでしょうか?
仮想空間での実験は、過去にも実例があり実世界と同様の結果が得られたそうです。
実世界で、全く同じ条件を整えるのは、コストがかかります。
しかし、仮想空間であればコストを抑えて、実験できるということです。
10項目のアンケート
色違い(赤・青・グレー)の3パターンの画像を見せられた後に、次の10項目のアンケートに答えます。
- 幸せ/不幸せ
- 広々している/広くない
- 安心/不安
- 暖かい/冷たい
- 鮮やか/どんよりしている
- 興奮する/興奮しない
- ワクワクする/ワクワクしない
- 刺激的/刺激的ではない
- 落ち着く/落ち着かない
- 平和的/平和的ではない
このアンケートを元に、どの部屋の色が最も安心するか、ワクワクするかといったことがわかります。
なお、0か1の回答ではなく、1〜7点の間で点数をつけるアンケートとなります。
暖かいと感じれば1点で、冷たいと感じたら7点。
中間だと感じたなら、4点といった付け方をします。

点数が低いほど、良いという意味
赤vs青vsグレーの結果
この部屋の色、赤vs青vsグレーによる三つ巴の戦いは、意外な決着となりました。
赤枠で囲っているのが赤の部屋のスコア。
青枠で囲っているのが、青の部屋のスコア
グレーで囲っているのが、グレーの部屋のスコアです。
わかりづらいのですが、M列の数字が小さければ、小さいほど良いという意味です。
M列の数字が小さければ、HG列(ハイグレード)はAになります。
Aであれば良い、Bが普通で、Cは悪いです。

exciting(ワクワクする)は赤の部屋がトップですね
グラフで見てみましょう。
こちらのグラフもややこしいのですが、棒線が低ければ低いほど、良いという意味となります。
△(三角)が赤の部屋で、□(四角)が青の部屋、◯(丸)がグレーの部屋です。

棒グラフが低空飛行してるほうが、良いという見方です
また、図形が黒と白の2つありますが、それは家具配置を変えて2回実験されたからです。
ちなみに、第一回目の実験が黒で、第二回目の実験が白です。

家具配置より、部屋の色の変化のほうが影響が大きいです
それぞれ、補足の説明を加えていきます。
赤と青の部屋に比べ、グレーの部屋は悪いスコアとなりました。
赤の部屋は幸福度が高く暖かい
赤の部屋は、幸福度が高く暖かみを感じるようです。
とくに、次の4項目でトップです。
- 暖かい
- 興奮する
- ワクワクする
- 刺激的

活発的になる部屋ですね
その他、幸福度や鮮やかに感じる度合いも高い傾向となりました。
ただし、悪い点もあります。
赤い部屋は、落ち着かず、平和的ではありません。
この2点は、すべての数値が低いグレーの部屋にも負けています。

赤の部屋は、冷静になりたいときには向かない
青の部屋は広々として落ち着く
青の部屋は、広々として落ち着くようです。
とくに、次の3項目でトップです。
- 広々としている
- 安心
- 落ち着く

大人の部屋って感じです
その他、幸福度や鮮やかさ、平和的に感じる度合いも高いです。
ただし、部屋が冷たく感じるという点があります。
とはいえ、夏場は冷たく感じたほうがメリットはあるでしょう。
また、赤の部屋に負ける要素があっても、グレーの部屋に負けている要素はありません。

グレーの部屋より青の部屋
グレーの部屋は平和的で落ち着くが…
グレーの部屋は、平和的で落ち着くようです。
赤の部屋より、落ち着いて平和的であると言えます。
しかし、それ以外は否定的なポイントが高く、青の部屋の下位互換といったところ。
しかも、青より冷たく感じるそうです。

モノトーンの部屋は、生活感のない冷たさがあります
グレーの部屋は、次の8項目でワーストです。
- 不幸せ
- 広くない
- 不安
- 冷たい
- どんよりしている
- 興奮しない
- ワクワクしない
- 刺激的ではない
まるで、暗く不健康な部屋のよう。
グレーの部屋からは、エネルギーを感じられません。

部屋がグレーっぽい人は、彩りを意識しましょう
部屋の色を変える方法
部屋の色が変われば、気分も変わるということがわかりました。
気分が上がらない方は、部屋の色を変えてみましょう。
しかし、元々、住んでいる部屋の壁がグレーっぽかったり、家具がグレーっぽい方もいるでしょう。
そこで、簡単に部屋の色を変える方法を紹介します。
暖色系や寒色系の部屋に住んでいる方も、同じく気分を変えることができます。
人工植物
まず、落ち込んでいる方は癒やしのグリーンを取り入れましょう。
デスクに置ける観葉植物がオススメです。
いい生活 4点セット 人工多肉植物 ミニ 植物鉢植え 枯れない 白い正方形の植木鉢 観葉植物 室内 ホーム 庭 装饰 デコレーション (セラミックの植木鉢 B)
しかし、観葉植物というのは、水を上げたり日光を浴びせないとすぐに枯れてしまいます。
ですが、この観葉植物は人工植物といって本物ではないので、枯れません。
本物の観葉植物の方が、効果は大きいと思いますが、世話をするのが面倒です。
観葉植物の初心者は、まずは人工植物から入門してみましょう。

面倒くさがりさんにオススメ
壁紙
部屋の壁の色というのは、簡単に変えることができます。
壁紙のDIYというのがあります。
部屋の壁に貼るだけ。
それだけで、部屋の色がガラリと変わります。
元気を出したい方は赤の壁紙を。
逆に、冷静に落ち着きたい方は青の壁紙に。
変えたい気分に合わせて、壁紙をセレクトしましょう。

Let’s DIY.
まとめ
部屋の色は、気分に大きく影響を与えていました。
暖色には暖色の特徴があり、寒色には寒色の特徴があります。
気分を変えたいなら、部屋の気分を変えましょう。
グレーの部屋やモノトーンの部屋に住んでいる方は要注意。
生活感のなさが、元気を奪っているかも知れません。
彩りを増やしましょう。
デスクに植物があるだけでも、ずいぶんと違います。